NHK その時歴史が動いた ３０００万の署名 大国を揺るがす 〜第五福竜丸が伝えた核の恐怖〜（％１）
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かつて、署名を３千万人集め、大きなうねりになった時代があった、らしい。
さよなら原発1000万人アクション という署名活動がある。（％２）
まだ目標の１千万人に及ばず、「２０１２／６／８」時点で、７３５４１６５人だ。
７３５万人。
番組では、東京都多摩の43歳女性と、神奈川県横浜市の28歳の女性が、新聞の投書欄で知り合い、母親たちの力が３千万人の活動に成長した、と語る。
でも、注意深く番組を見て、私には何故当時３千万人も署名が集まったのか、よく判った。
駅前署名活動に参加している姿に、男性が居る。
白昼堂々、駅前で署名活動ができる男性ってのはどんな人か。
つまり、労働組合の専従って人だろうと想う。
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それなりの規模の企業では、労働組合があり、組合員の会費で運営される。
会社の仕事をしなくても、組合の仕事をすることで、組合員から給与をもらえる、「組合専従」という役割がある。
私が１３年間お世話になったセイコーエプソンの場合は、組合専従になった者は、その後、元職場に復帰して、従業員として働いている環境が当たり前に行われている。
優秀で、人事掌握に長けた、人間が大好きな者が、組合専従になる場合が多い。だから復帰後、企業の管理職にそのまますすむのもまったく不自然じゃない。
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つまり、NHKの番組では語られないが、日本国有鉄道の組合専従者が、この署名活動に本腰を入れて全国展開したのだろうと推定する。だから、３千万人もの署名のうねりとなったのだ。
そのうねりは、猿橋（さるはし）女史の公開実験につながり、大気圏核実験を止めさせた、猿橋博士は、その時代の誇りだ。
だから、猿橋賞なのだ。
ましてや、世界最初に、不特定多数の人民に使用された原子爆弾の被曝者である日本人が世界に訴えかけた時代背景を考えると当時大きな成果だったろうと想う。
第五福竜丸の博物館は東京の片隅に有る。（％３）
岡本太郎の壁画には、その第五福竜丸が描かれている。渋谷駅に行ったら、井の頭線方面に歩きぜひその壁画を見て貰いたい。（％４）
国有鉄道の労働組合がその後、どうなったのかはご存じの通りだ。
労働組合の活動を解体した者と、原子力発電所を作った者は同じ主体だ。
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１９５９年前後に何があったのか。
今の時代を生きる日本人にぜひ見てもらいたいデータがある。
日本の国土１５カ所の放射性セシウム１３７の濃度変化だ。（％５）
これを見ると，土壌で、１９６４年の１２０Bq/kgをピークとして、２０１０年に、６．４Ｂｑ／ｋｇまで漸く下がった。
１９８６年のチェルノブイリ事故で放射性セシウムの減衰曲線が少し逆走したことはもちろんだ。
関東平野は、２０１１／３／１１以降いくつになったかご存じだろうか。
事実をきちんと知らされることなく、環境省は、埋め立てて良い放射性セシウムの基準を８０００Ｂｑ／ｋｇに引き上げた。
３１１以前は、放射性セシウム１３７の平均値は６．４Bq/kgだったのだ。
関東から長野県にやってくる堆肥は、軒並み１００Ｂｑ／ｋｇ近い値だ。（％６）
土壌改良材として、４００Ｂｑ／ｋｇまでは政府が許しているためだ。
日本全国に家庭菜園需要を背景に拡散している。
千葉県では、校庭などから更に高い値が測定され自治体が公表している。
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一方、今という時代はどうだろう。
１９８５年ごろから周到に準備された派遣労働者の法律改正は、２００４年に完成した。（％７）
小泉政権は、最後の一押しをした。つまり派遣労働者の対象を製造業に拡大した。
私ははっきり覚えている。１９８５年、派遣社員は、カッコ良かった。（風にマスコミを使って洗脳していた。）
「能力の有る者は、正社員なんてならずに、ハケン社員として、自分のスキルを磨くのだ。
管理職になって、やりたくも無い仕事をやるんでなく、自分の専門性を鍛えるのだ。」
そんな空気。
鉛筆なめて紙に図面を引くのではなく、コンピュータ画面に向かってCADを操る姿がその象徴だった。
でも、１９８５年に既に、時限爆弾はセットされていたのだ。
カラクリは、
常用雇用型 : 特定派遣
登録型 : 一般派遣
の２つの派遣労働者。
常用雇用型から始めた。でも、かくし玉は、登録型だったわけだ。
そのボタンを押した。もちろん、政府も産業界も承知の上だろう。
労働組合の人で気付いて訴えていた人は居ただろう。
でも、TVや新聞が扱わなければ、誰も気付かない。
新聞とTVが扱わなければ、無いも同然だった。
１９９４年にインターネットが始まるまでは。
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放射能測定所を立ち上げる市民の動きを「政党」の動きとして嫌悪する市民感情があることを私は知っている。
党に属した「プロ」な活動家の「成果」として測定所があるのではない。
子育てまっさかりの母親の強い愛情を支えるために有る。
でも、「アカ」とマルクスを嫌った日本人の「生理現象」はどこから生まれたのか、自分の胸に聞いてみるといい。
豊下楢彦先生の研究の結晶、昭和天皇・マッカーサー会見（岩波書店、２００８）を読むとよく判る。
つまり、「戦後、日本が共産党に支配され、１３００年続いた天皇制が自分の時代に終わるかも知れない恐怖」が昭和天皇に有ったのだと、私は推察する。
そこで、昭和天皇はマッカーサーと「直接的な政治交渉」をやったのだ。象徴天皇としての役割を飛び越えた越権行為だった。
無答責（むとうせき）（％８）にまみれた日本の官僚は、突っ走った。
何故なら、天皇の意志が自分の後ろ盾にあるのだ、怖いものは何もない。
それが戦後のさまざまな事件の闇を作った。
沖縄もその延長にある。
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もうコマが揃った。
私たちはみるべきものを見た。
私たちは何を失ったのだろう。
今ふたたび誇りを取り戻そう。
全ては私たちのこの胸の中に有る。
決してあきらめてはならない。
今を生きる いけとしいけるものたちよ。
つながろう。
しっかりと。
（一ノ瀬、２０１２．６．９）
初出：Facebook
http://www.facebook.com/ichinoseshu/posts/308557605900743
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（資料）
％１）NHK その時歴史が動いた ３０００万の署名 大国を揺るがす 〜第五福竜丸が伝えた核の恐怖〜 - scannerの日記 (id:scanner / @ichinoseshu)
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20111002/1317569207
％２）さよなら原発1000万人アクション
http://sayonara-nukes.org/shomei/
％３）都立 第五福竜丸展示館 公式ホームページ
http://d5f.org/
％４）第４の火
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20120108/1326038025
％５）311前の土壌のCs137濃度
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/03/311.html
％６）堆肥 牛ふん 有機質肥料 の放射能値測定結果
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-7a70.html
％７）派遣法の歴史
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20120609/1339205446
％８）書籍 佐藤栄佐久：福島原発の真実,平凡社新書(2011.6.22)
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20110818/1313675725
