山田 真 (小児科医)

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山田 真 (小児科医)

外に出ている子どもに対して、「早く教室へ入ったほうがいい」「長袖のシャツを着ていたほうがいい」くらいの注意をした教師に育委員会から指導が入る。それで、何人かの学校の先生が辞めている。

福島市の医師会は全員「放射能は心配ない」と口裏を合わせることになっている。

福島産以外の食材を使ってほしいと要求する親はまわりの保護者から非難される、というとてもつらい状況になっている。

今、低線量被曝について語ることができるのは、肥田舜太郎さん、矢ヶ崎克馬さんといったお医者さんたちだが、この人たちは被曝者の訴訟に関わってきた人。そういう人たちしか低線量被曝した人たちに寄り添ってこなかった。ほかの人たちは、多くの専門家たちは低線量被曝、内部被曝はない、ということにしてきた。

3月12日の沢山の放射能が降り注いでいる状態で、背中に赤ちゃんを負ぶって屋外で待っていた、というお母さんが何人もいて悔やんでいる。東電や国を責めるのではなく、自分を責めている。自分がうかつで情報をつかめなかったために、この子をこんなにしてしまった、と思っている。お母さんの責任ではなく、国や東電が悪いのだが、実際にはそういう人たちが多い。

甲状腺癌については隠しきれなかったということだが、日本では甲状腺癌さえも隠そうとしている。

東京新聞共同通信くらいは現地に入って取材している

実際に2月に相談を受けたおじいちゃんは「家の中であちこち線量を測ったら20マイクロシーベルトもある場所があった」という、恐ろしい地獄のようなところで暮らしている。福島が避難地区と認められないと、それより少し低い郡山などは到底認められない。渡利地区は橋頭堡のところであり、渡利地区を認めさせることができれば、もう少し避難地区を広げられる。そのへんのところで闘いが止まっている

実際に水俣病の闘いのことなど考えれば、今度の事故で東電という会社の入口は座り込まれて、機能停止になっていても当たり前だと思う

福島の問題は福島だけの問題ではない。私たちは、沖縄、広島、長崎、第五福竜丸を切り捨ててきたという歴史を今こそ断ち切らなくてはならない。