地震・津波とそれにつづく核事故から10か月経過した 2012年1月以降、
Increasesin perinatal mortality in prefectures
contaminated by the Fukushima nuclearpower plant
accident in Japan
(英語原文)
http://bit.ly/2dt6tiC
「概要
チェルノブイリ後の長期的なヨーロッパの周産期死亡率
の飛躍的上昇傾向が、諸々の記述観察研究によって示さ
れている。福島の核発電所事故が同様な現象を日本で引
き起こしたのだろうかという疑問が持ちあがる。
2001年から2014年までの期間中の47都道府県の出生数
1520万人に対して、胎児の周産期死亡、または妊娠22週
から生後7日までの新生児死亡の69、171事例について、
日本政府は月別統計を提示している。
われわれは変化点手法によって長期データの変動を検出
し、被曝レベルによって成層化した日本の都道府県にお
ける周産期死亡率の時間的傾向を解析することによって、
地震・津波、あるいは推定放射線被曝量と関連している
可能性がある周産期死亡率の潜在的上昇の推計と検証を
試みた。
中・高レベル放射能被曝地域を低レベル被曝・無被曝地
域と比較するとともに、高度に汚染された地域と地震・
津波の被害を受けなかった地域の比較もおこなった。
地震・津波とそれにつづく核事故から10か月経過した
2012年1月以降、重度に汚染された6都県における周産期
死亡率は飛躍的に上昇した〈上昇オッズ比1.156:95%
信頼区(1.061、 1.259)、p値0.0009〉。中程度の汚染
地域の場合、わずかな上昇が認められ、その他の日本各
地では上昇が認められなかった。
重度に汚染された諸地域における福島核事故から10か月
後の周産期死亡率の上昇は、地震・津波により死亡者・
行方不明者数と無関係だった。
放射性物質で汚染された地域における周産期死亡率は、
核事故から10か月後に上昇しはじめ、一般的で着実な長
期下落傾向をともなっていた。このような結果は、チェ
ルノブイリ事故後の欧州における知見内容と一致してい
る。
本論文で提示するような解析は、未知で制御不能な因子、
あるいは交絡因子を考慮していないので、因果関係を示
唆することはできても、証明はできない以上、自然およ
び人為的な環境放射能と集団レベルにおける発生衛生に
対する有害な影響との関連の性質の追究と定量化の改善
を図るために、多様な学問分野における研究の強化が緊
急に必要とされている」