パブコメ 今日まで 「原子力政策の基本方針」

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1. 原子力政策の基本方針

(1)原子力政策の出発点-東京電力福島第一原子力発電所事故の真摯な反省

東京電力福島第一原子力発電所事故は、我が国の国民一人一人に大きな衝撃を与えた。

誰もが原子力のリスクを改めて認識し、国民の間には原子力発電に対する不安感や、原子力政策を推進してきた政府・事業者に対する不信感・反発がこれまでになく高まっている。

この事故の結果、現在も約14万人もの人々が避難を余儀なくされていると
ともに、汚染水等の東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐるトラブルは今なお多くの国民や国際社会に不安を与えている。

政府は、東京電力福島第一原子力発電所事故の発生を防ぐことができなかったことを真摯に反省し、福島の再生に全力を挙げるとともに、原因の探求と再発の防止のための努力を続けて行かなければならない。

また、東京電力福島第一原子力発電所事故以前から、事故情報の隠蔽問題や、 もんじゅのトラブル、六ヶ所再処理工場の度重なる計画遅延、高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定の遅れ等、原子力政策をめぐる多くのトラブルやスケジュールの遅延が国民の不信を招いてきたことも事実である。

こうした中、事故前に比べ、我が国におけるエネルギー問題への関心は極めて高くなっており、原子力の利用は即刻やめるべき、できればいつかは原子力発電を全廃したい、我が国に原子力等の大規模集中電源は不要である、原子力発電を続ける場合にも規模は最小限にすべき、原子力発電は引き続き必要であるなど、様々な立場からあらゆる意見が表明され、議論が行われてきている。
政府は、こうした様々な議論を正面から真摯に受け止めなければならない。

(2)エネルギー政策における原子力の位置付けと政策の方向性

大きく変化する国際的なエネルギー需給構造の中で、深刻なエネルギー制約 を抱える我が国が、エネルギー安全保障の強化、経済性のあるエネルギー源の確保、温室効果ガス排出の抑制という重大な課題に対応していくためには、多様かつ柔軟な電源オプションを確保することが必要である。

原子力発電は、燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで供給が維持できる準国産エネルギー源として、 優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、 運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性を支える基盤となる重要なベース電源として引き続き活用していく。

原発依存度については、省エネルギー再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより可能な限り低減させる。

その方針の下で、我が国のエネルギー制約を考慮し、安定供給、コスト低減、温暖化対策、安全確保のために必要な技術・人材の維持の観点から、必要とされる規模を十分に見極めて、その規模を確保する。

いかなる事情よりも安全性を最優先し、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、世界で最も厳しい水準の新規制基準の下で原子力規制委員会によって安全性が確認された原子力発電所について再稼動を進める。

また、万が一事故が起きた場合に被害が大きくなるリスクを認識し、事故への備えを拡充しておくことが必要である。

さらに、原子力利用に伴い確実に発生する使用済核燃料は、世界共通の悩みであり、将来世代に先送りしないよう、現世代の責任として、その対策を着実に進めることが不可欠である。

今後、原子力政策を進めるに当たっては、以下のとおり、具体的な施策を実施する。

パブリックコメントに寄せた意見:


私は「第3章 第1節 (2)エネルギー政策における原子力の位置付けと政策の方向性」に反対します。

理由は以下の通りです。

1.原子力発電所を再稼働した場合、再び、東京電力福島第一原発事故チェルノブイリ原発事故を超える大事故が、日本で起きる可能性がある。

2.「世界で最も厳しい水準の新規制基準の下」とあるが、これでは何の安心材料にもならない。国同士でスポーツの順位を競っているわけではない。

大切な狙いは、「世界で最も厳しい」かどうかではなく、
「再び、原発事故による環境放射能汚染を起こさないこと」である。

そのためには、何故、福島第一原発の事故が起きたのかを徹底的に解明する必要がある。
現在、メルトダウンした核燃料が炉の中でどのような状態なのかさえも把握できていない。
つまり、福島第一原発の事故の原因がまだ解明されていない。

また、元東京電力勤務の有能な福島第一原子力発電所のオペレーターであった木村俊雄氏の見立てによれば、メルトダウンが起きた原因は、津波による全電源喪失ではない可能性が有る。

すなわち、地震が発生した時点で、既にメルトダウンに向けた崩壊が始まった可能性が指摘されている。

もし、木村氏の見立てが正しい場合、
津波による全電源喪失」を原因とした、津波対策を「世界で最も厳しい水準」で行ったとしても、「再び、原発事故による環境放射能汚染を起こさないこと」という目標は達成できないことは明らかだ。

世界的に地震の巣である日本において、原子力発電所を稼働するリスクを負うべきではない。

3.以上から、日本として原子力発電所の全面的な廃止を宣言する必要がある。

4.日本の総力を挙げて、脱原発に向け、直ちに動き出すべきである。