福島県内のモウソウチク林における放射性セシウムの分布

梅村光俊@名古屋大学

(2014.9.26受付)

福島県内のモウソウチク林における放射性セシウムの分布

(タケノコにCsが集まるメカニズム。)


1)地下茎還流と季節変動。「マダケの地下茎のカリウム濃度は季節変動する。(上田ら 1961)」「4月下旬は、タケノコの成長のために、地下茎の養分が最も消費される時期と考えられ、」

2)経根吸収。「事故直後に沈着したCs-137には、水溶性の形態(硫酸塩)が含まれていた。(Kaneyasu et al. 2012)」
※「2014年採取時点においては、経根吸収の証拠は見出されなかった。」

3)表面吸収。「地上部に表面吸着した放射性物質が表面吸収により体内へ取り込まれ、体内を移動した可能性、」「モモの樹において、樹皮の表面から吸収された放射性セシウムが果実で検出された(Tanaka 2013)」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjfs/97/1/97_44/_pdf

補足)
「Tsukada et al. (2008)は、チェルノブイリ事故由来で、土壌に降下してから数十年経過したフォールアウト由来のCs-137は、
イオン交換態が10%、
有機物との結合体が20%、
粘土鉱物など土壌粒子に強く結合している形態が70%
であることを明らかにしている。」