2013-8-19に起きた二つの原発関連事故

(備忘録としてメモ)
2013-8-19に起きた二つの原発関連事故

■[事故ー1]放射性物質を含む水(放射能水:日本では汚染水と呼ぶ)を保管したタンクからの水漏れ事故。
経緯:
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/08/24-538b.html
※事故当時、24兆ベクレル(24TBq)と報道されたが東京電力が行ったベータ線核種(Sr-90 ストロンチウム90)の計測方法に誤りが有ることが判り実際よりも少なく計測していたことが発覚した。その事実を半年以上経過した翌年2月に東京電力は発表した。

■[事故ー2]福島第一原発3号機の瓦礫撤去により舞い上がった粉塵とそれが頭部に付着した作業員の放射性物質付着事故、並びに平成25年度福島県産米の基準値(放射性セシウム合算値100Bq/kg)超え事故。
経緯:
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2015/06/post-0c19.html
小泉先生、小豆川先生:
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20160118/1453097614
2013-8-19当日の新聞報道のあり方:
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20130828/1377648801
25年度米の南相馬市での基準値超過に関する調査結果(農林水産省):
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/fukusima/pdf/25kome_h26_01.pdf

※状況証拠から8月19日の原発3号機の瓦礫撤去が、平成25年度福島県産米の放射性セシウム濃度値が基準越えした原因であると推定された。
状況証拠:当時の近隣のハイボリュームエアサンプラー(周辺空気を連続的に掃除機のように吸引し続ける装置で粉塵をフィルタに集めゲルマニウム半導体検出器で定性・定量分析して、放射性物質の核種特定と空気中の放射性物質濃度値を計測する環境観測手法)の測定データ(小泉先生@京都大学)。放射性物質が振り掛け状に付着した稲穂のオートラジオグラフィー画像(農林水産省福島県農林部)。
原子力規制委員会(フケタ副委員長)は、翌年、「平成25年度福島県産米の放射性セシウム濃度値が基準値越えした原因は不明」と正式に発表した。
その後、小豆川先生@東京大学による調査結果が公表された。
(調査結果要旨)
(1)平成25年度秋、南相馬市原発から北20kmの地点)生産米の放射性セシウム濃度が基準値超えした。
(2)放射性セシウム134/放射性セシウム137の比率は、放出源(福島第一原発の1号機、2号機、3号機のどれが放出源か?)を特定する「指紋」の働きをする。1号機、2号機は、ほぼセシウム比率0.9であるのに対して、3号機のセシウム比率は1.0であることが既に判っている。
(3)南相馬市の土壌で検出された放射性セシウムの比率は、0.9であり、放出源は1号機、2号機であることが判っている。
(4)平成25年度米の基準越えの米の放射性セシウムの比率は、1.0であることが判った。
以上から、平成25年度福島県産米の基準値超えを起こした放射性セシウムは、南相馬市周辺土壌から強風などで飛来した放射性物質では無く、福島第一原発の3号機からやってきた放射性物質であると科学的に証明された。