NHKはもういらないと言われたようなものです


http://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY201209070270.html

(「ジャーナリズム」12年9月号掲載)
金平茂紀(かねひら・しげのり)
TBSテレビ執行役員(報道局担当)。1953年北海道生まれ。

あるいはデモ・集会参加者らの顔を警察の警備・公安担当が実に大っぴらにビデオ撮影している。明らかに肖像権の侵害だ。だが、そのような風景に疑問を感じる記者がもういなくなっているのだ。

NHKの元プロデューサー永田浩三氏はこう語る(『マスコミ市民』12年8月号から)。
 〈たとえば「ニュースウォッチ9」をみても、……あれだけ多くの人たちが大飯原発再稼働に反対して首相官邸を囲んでいるのに、4万5千人が取り囲んだ時 は、クルー一つ出していません。
ですから、その翌週は「正しい報道ヘリの会」が立ちあがりました。
NHKは日常的にヘリコプターを使えるのに、「どうせ NHKは取材してくれないだろうから、皆でお金を出し合ってヘリコプターを飛ばそう」と、なけなしのカンパが集められたのです。

涙が出るほど情けない事態 です。

NHKはもういらないと言われたようなものです〉

〈その翌週の金曜日の午後、僕はNHKの仲間に電話をして、「今日また取材しなかったら、大変なこ とになるよ」「いま報道しなければ、市民から強い批判に晒(さら)されるだろう」と言いました〉

岩上氏のYuTube動画を金曜日に見ると、決まって訴える市民を大量のビデオを持った警察が撮影している。
いったいあれは何なのだと想う時があった。

「明らかに肖像権の侵害だ。」

まだこういう言葉を当たり前に言うメディア側の人が居ることが少し新鮮だった。

だって、高速道路の自動速度取締機が、速度超過した車のナンバーを撮影する際に、「誰が運転しているか、誰と乗っていたか、」は肖像権の侵害だと裁判になった時代がかつてあったんだよ。

街角に大量の監視カメラが並び立つ、日本の風景は異様だ。
でも私達はそれに慣れてしまった。

でもやっぱりオカシイ。その感覚は重要だ。