2002年 福島県エネルギー政策検討会 「中間とりまとめ」


http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/energy_021200torimatome_book.pdf
平成14(2002)年12月
福島県エネルギー政策検討会 「中間とりまとめ」

電源立地県 福島からの問いかけ

刊行にあたって
 福島県は、我が国最大の発電県であり、その発電量は、全国の約1割、東京電力株式会社の約4分の1を占めており、明治以来、我が国の発展に寄与してまいりました。特に、現在、10基の原子炉を有しており、原子力発電とどのように共生し、地域振興を図っていくかが大きな課題となっております。
 また、本県においては、平成5年、原子力発電所の使用済燃料を一時貯蔵する共用プール設置の際、燃料搬出に関する国の約束を反故にされたり、JCO臨界事故やMOX燃料のデータ改ざんにより、国民の理解が後退している中、平成13年1月に突然、プルサーマルを実施しようとする事業者の動きが報道されました。さらに、翌2月には、これまで地元と協力して進めてきた新規電源開発計画の凍結が、事業者から一方的に発表されるなどの動きがありました。
 福島県としては、これまでエネルギー政策は国策であると受け止め、協力してまいりましたが、国や事業者が国策の名の下に立地地域の意向をないがしろにして一方的に推し進めるということでは、電源立地地域がその存在を脅かされるほどの影響を受けかねないと判断し、昨年5月、私を会長とするエネルギー政策検討会を設置いたしました。そして、これまで著名な講師の方々との意見交換等を行いながら24回にわたって検討を進めてまいりました。
 この「中間とりまとめ」は、これまでの検討内容やエネルギー政策についての様々な疑問点を整理するため、本年9月にまとめたものであり、国の考え方をはじめ、様々な方々の御意見も掲載しております。原子力発電の健全な維持・発展を図るためには、国は、徹底した情報公開、政策決定への国民参加など、新しい体質・体制で今後の原子力行政を進めていくべきであると考えます。
 最後になりましたが、御協力、御指導いただきました講師の方々や様々な御意見をいただきました県民の皆様に御礼を申し上げますとともに、この「中間とりまとめ」を契機に、エネルギー政策について活発な議論が巻き起こり、国民の合意のもとにエネルギー政策が展開されることを期待いたします。
平成14年12月
福島県エネルギー政策検討会会長
福島県知事 佐藤栄佐久

エネルギー政策検討会
主だった講師:
平成13年7月23日 村上陽一郎 氏
平成13年7月31日 米本昌平 氏
平成13年8月6日 飯田哲也 氏
平成13年8月22日 佐和隆光 氏
平成13年9月17日 西澤潤一 氏
平成13年10月22日 吉岡 斉 氏
平成14年2月12日 桜井 淳 氏

他、
山地憲治 氏
神田啓治 氏
中村政雄 氏
朝田泰英 氏

この講師陣を見ると、当時の佐藤栄佐久知事の気合いの入れ方が分かる。
県職員の動機付けを行い、継続的に同じ人間を職務に就かせて、権限委譲することで、経産省東京電力に論理的に切り込むための体制を整えたことが良く分かる。
地方自治体はこのやり方を見習う必要がある。