BOOK 2009.10.30 岩田健太郎 岩田健太郎 感染症は実在しない

2009.10.30 岩田健太郎

岩田健太郎

感染症は実在しない

 

p-056

インフルエンザという「こと」はインフルエンザウイルス以外の病原体を起こすことが解ってきました。

例えば、パラインフルエンザウイルスとか、メタニューモウイルスとか

実のところ、いまではインフルエンザの症状を示す「状態」の半数以上は、実はインフルエンザウイルス以外の病原体が原因だとわかっています。

インフルエンザウイルスでない病原体が起こすインフルエンザという「こと」は、実はインフルエンザではないと言い出しました。それは、インフルエンザ様疾患(influenza like illness)、略してILIと再定義された。

 

p-062

「RT-PCRと呼ばれる特殊な検査でインフルエンザウイルスの遺伝子を調べたのです。2009年5月のことです。もうインフルエンザは流行していない、と考えられている季節です。初夏ですから。ところが出るわ出るわ、探してみたら、たくさんの患者さんから、新型インフルエンザではなく、従来の季節性インフルエンザウイルスが検出されたのでした。しかも、その多くは迅速検査で陰性だったのでした。」