グリーンスパン 『Foreign Affairs Report』2014 NO.6)

■■ 2014/06/06 ■■

兵頭正俊の優しさ出前

米国知識人が触れぬ極東の植民地(その2)

経済的な視点から、米国は日本をどう見ているか。
1987年から2006年まで第13代連邦準備制度理事会議長を務めた、アラン・グリーンスパンは、「世界経済の現状をどう見るか ─ アラン・グリーンスパンとの対話」のなかで、インタビューに答えて、次のように日本に関して語っている。

「人口の高齢化という問題を日本は抱えていることを忘れてはならない。

(中略)

日本国債金利が依然として低い今は問題がない。だが、このままの状態が続くとは思えない。最終的に、世界各国の金利が上昇していくのは避けられず、この段階で、日本は政策上の大きな問題に直面する。

もう一つの問題は、長年にわたる日本の経常黒字の規模が次第に小さくなってきており、いつかは経常赤字を抱え込むと考えられることだ。

基本的に人口が高齢化していけば、消費は増え、貯蓄の規模は小さくなっていく。高齢化した人々は(年金でやりくりできなければ)貯金を取り崩して生活するしかない。

この段階になると、日本はグローバル市場でグローバルな金利で資金を調達するしかなくなる。しかも、日本の公的債務残高は膨大な規模に達しており、この領域でも大きなリスクを抱え込んでいる。

日本で何が起きるかを私も心配している。日本銀行もこのリスクを認識している」
(『Foreign Affairs Report』2014 NO.6)