堤未果インタビュー 2012-04-18

堤未果インタビュー
2012-04-18 22:37

http://www.webdice.jp/dice/detail/3485/


ただしアメリカの場合は有権者が目を離しすぎていたせいで、規制緩和によって肥大化したウォール街を始め、1%層がほとんど政府を買ってしまった。こう なったらもとにもどすのはかなり至難の業です。日本はアメリカを反面教師にして、手遅れになる前にブレーキをかけなければなりません。


国民が日常的に政治を見ていないことが、抜け穴を作ってしまっているのです。


TPPでアメリカが日本にやろうとしていることを、アメリカはこの10年で自国民に対して行いました。次が日本なんです。アメリカ社会が今どうなっているかよく見て下さい。『貧困大国アメリカ』を読んで下さってもいいですが。

ショックドクトリン

ショックドクトリンとは、この本にも書きましたが、ショックな事件があって国民の目が政治からそれた時に急激な規制緩和を行う手法の事です。
アメリカは80年代から進めていた規制緩和政策を911で一気に加速させました。


特に政府が今までぜったいに市場として手を付けなかったエリア、例えば教育、底辺の為の医療保障、福祉、軍、自治体……次々に公を解体し市場化していった。
その結果中流が消滅しました。


そして日本の国民はまだまだテレビや新聞を唯一の情報源にして信頼しています。


そういえば、官房機密費が去年1年で通常の2倍以上使われたと、永田町で追及していた議員がいましたね。


創業者のマーク・ザッカ―バーグはフェイスブックについて、こんな発言もしています。
「かつて人間が作ったものの中で、最も強力な大衆操作ツールだ」


そもそもカダフィは自分の国の国民のために石油や金のお金を使っていて、リビア人に聞くと「高福祉・高学歴で幸せな国だった」という声が返ってきます。


秘密保全法(政府が検討している、外交・安全保障・治安・防衛などの国家機密の漏えいに対して罰則を強化する法案)というのがあって、これはかなり危険な内容です。


ドラえもんでいうと「ジャイアン論理」のこの映画を、昔から反原発の友人に熱心にすすめられたんです。だから映像の力ってすごいなと。まず感動させちゃう。その瞬間私たちの心は真っ白な白紙の状態になっていますから、そこでメッセージがするっと入る。



いちばんわかりやすいのは、母親のグループが都内を中心にどんどんできてきていて、どんどん国会議員のところに乗り込んでいってる。その流れで子どもと母 親を放射能から守る法案(「子どもと妊婦を守る法案」)が生まれ、成立しそうになっている。


彼女たちは、それまで政治は男の人たちが話す話題だと思って避 けてきたという層。それが第五福竜丸の時のように再び立ち上がっている。若い人たちも一生懸命に動いています。法律を作るということは、社会を動かすとい うことです。


去年オレゴンでタイム誌の記者にこう言われたんです。「今までは大量精算(生産)・大量消費でよかった。経済成長が目標でよかったとみんな思っていたのが、どうも日本を見たら違うらしい。じゃあ日本はどっちを目指すか、というのが今世界にとっての関心事だ」と。
日本は資本主義が暴走した今の世界で、その一歩先のモデルケースになれる可能性を持っています。

堤未果川田龍平という組み合わせはそれにしてもオモシロイね。