■AFP BB News
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2902178/9546114GMトウモロコシと発がん性に関連、マウス実験 仏政府が調査要請
2012年09月21日 12:10 発信地:パリ/フランス
■食品安全情報ネットワーク (FSIN)
https://sites.google.com/site/fsinetwork/jouhou/gm_maizeフランスの研究グループによる「組み換えトウモロコシの毒性」に関する論文およびそれに関する報道について
目次
1 概要
2 専門家のコメント
2.1 GMトウモロコシの長期毒性に関する論文(Séralini et al., 2012)に対するコメント 〜 一般財団法人残留農薬研究所毒性部長 青山博昭概要
2012年9月19日 フランスカーン大学のセラリーニ教授らは、「Food and Chemical Toxicology誌」に「Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize(ラウンドアップ除草剤並びにラウンドアップ耐性遺伝子組み換えトウモロコシの長期毒性)」と題した論文を発表したと記者発表しました。この発表を受け、フランス政府はフランス食品環境労働衛生安全庁に対して、この論文で示された実験結果への調査を要請し、事実であることが確認されればヨーロッパへのこの組み換えトウモロコシ(NK603系統)の輸入禁止を要請すると述べたとされます。
この一連の動きを海外のメディアは数多く紹介しています。日本国内でも、インターネットのニュースサイトAFPBB Newsでの報道に加えて、9月25日にNHK BSが海外ニュースの一環として「遺伝子組み換え危険性 EU対応策検討」と題して報じました。
一方、この論文の内容については、海外研究者から多くの疑問の声が挙がっています。
Nature誌は9月27日のオンライン記事で、「Rat study sparks GM furore」と題した論評を出しています。
国内サイトでは、食品安全情報blogが9月21日に、以下の見出しで海外の声を紹介しています。
・GM食品が「がんと関連する」という主張は他の研究者に疑われる
・GMトウモロコシ、除草剤、ラットの腫瘍についての研究データ要請
・GMトウモロコシがラットで腫瘍を作ったという報告への専門家の反応
・がんとGMトウモロコシの研究 専門家の反応サイエンス・メディア・センターでも、「遺伝子組み換え作物と除草剤のラットへの影響:専門家コメント」と題して、海外の専門家のコメントを紹介しています。
実験で用いられ、従来のトウモロコシと比べて発がん性が高いとされた組換えトウモロコシ(NK603系統)及び他の形質を持った品種との交配品種(スタック品種)は、日本国内で人の健康への影響がないことを示す安全性審査の手続きを経ています。
「安全性審査の手続を経た旨の公表がなされた遺伝子組換え食品及び添加物一覧(厚生労働省)」日本は年間1500万トン前後のトウモロコシを輸入しており、1200万トン前後が組換え品種と推定されます。NK603系統の消費量を示すデータはありませんが、相当量のNK603 系統トウモロコシが日本国内で家畜飼料や食品原料として使用されている可能性があります。
以上の状況を考慮して、FSINでは、日本の専門家の見解を紹介することにしました。
追記1 FSINでは、10月29日付でNHK BS「ワールドWAVEモーニング」番組制作責任者宛てに情報提供しました。
追記2 バイテク情報普及会から「フランスで遺伝子組み換えトウモロコシの長期毒性試験、信頼性に疑問符のつく結果に専門家からの反論相次ぐ」としてニュースが出されています。
■YuTube
http://www.youtube.com/watch?v=N6_DbVdVo-k&feature=player_embedded