専門家の倫理を問う

今日の信濃毎日新聞の1面、中馬清福主筆「専門家の倫理を問う」と題して、原発事故の後、リニア新線の専門家の意見にさえ疑義を感じるようになったこと。今回の福島の原発事故で電力会社は必死になって隠し、ウソをつく。と彼らの倫理観を批判している。そして最後に「この体質を変えない限り原発はやっぱり危険である。」と結論する。
主旨や結論は同意だ。
しかし、今回、政府や東京電力の『大本営』発表に対し、批判的に食い下がるべきだった専門家とは誰だったのか。
それは、ジャーナリズムではなかったのか。
今回、SPEEDIの発表遅れで被ばくしなくてもよい福島県の県民が被ばくした。
その責任の一端は、記者クラブの温存である。
たまたま3.11以前に立ち上げた上杉氏ら自由報道協会が、かろうじて従来記者クラブで独占されたいた東京電力の記者会見に食い込めたことで、さまざまな事実が発覚した。
だから、実は、今回、専門家の倫理を問われているのは、記者クラブを温存しているジャーナリズムである。この体質を変えない限りこの国は危険である。
■関連
上杉隆が為したこと

■追記 2011.7.12

東京新聞への「経済制裁」「経済封鎖」が始まった可能性

■追記 2011.7.15

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110715/k10014221751000.html
14日開かれた日本学術会議のシンポジウムにおいて、災害と心理学が専門の東京女子大学の廣瀬弘忠名誉教授は、今回の原発事故で、政府がパニックをおそれ、SPEEDIのデータの公表を遅らせたことは誤りだったと批判しました。