3号機 3月15日 何らかの理由で鉄骨を溶かす800度以上の超高熱

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2408
福島第一原発の基本設計を担当した米GE社の元設計士・菊地洋一氏は食い入るように写真を見つめた。
 菊地氏は福島第一原発6号機('79年運転開始)工事の現場監理も務めた、原発建屋建築のプロだ。
「同じ原子炉なのに、壊れ方がほかとまったく違う。3号機だけが熱でグニャグニャに曲がっているでしょう。アメ状に折れ曲がっている。これは、明ら かに水素爆発ではありません。何らかの理由で鉄骨を溶かす800度以上の超高熱にさらされ、鉄骨の骨組みが溶けた。水素爆発では、ここまでの事態にはなら ない。何かもっと重大な事態が起き、それがいまだに報告されていないか、誰も正確に事実を把握していないのでしょう」
 3月29日、東京電力が公表した無人撮影機による10枚の写真。3号機は、ひときわ無残な姿をさらけ出していた。

(3号機爆発直後の写真。)
「福島第一の最上階の建屋は、実は非常に軽く簡素な作りなんです。内部で大型のクレーンを動かすため、柱を立てられない。そのため、外壁や天井を軽 く作る必要があるんです。壁はプレハブ。天井は折り曲げたブリキの板の上に、軽量コンクリートを打ち、その上から防水シートをかぶせて砂をまいた『砂付き ルーフィング』です。
 見てください。1号機、4号機は薄い壁や天井が吹き飛んでいますが、鉄骨はほぼ無傷です。水素爆発は、実はプロパンガスなどよりずっと爆発力が小 さい。単純な水素爆発であれば、この程度なんです。ところがプルトニウムを含むMOX燃料を使っていた3号機では、大きな熱を発した。この事実とその原因 を、まだどこも指摘していません」(菊地氏)
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しかし、この東電社員によるとベントが遅れた理由は別にあるという。
「ベントは、全部で5回行っています。ドライベント(炉内の蒸気をそのまま空中に逃がす)が1回、ウェットベント(圧力抑制室を通して逃がす)が4 回です。通常なら電気系統を使って遠隔操作で弁を開けることが可能ですが、電気系統が壊れ、手動でやるしかなかった。手動でベントを行うためには数多くの 作業員を組織して厳重に防護服を着、炉の側まで近寄って作業する以外にないんです。今回これに当たったのは、福島でもエース級のベテラン作業員だった。
 ベントの作業が遅れたのは、このチーム編成や防護服の準備などに時間がかかってしまったためです。規制で許された範囲内の被曝で作業を行うため、 手順も綿密に確認する必要がある。結果論として批判されるのは仕方がないと思いますが、電源系が落ちたなかですぐにベントをやれるわけではないんです」