宇沢弘文 内橋克人「始まっている未来」岩波書店


宇沢弘文 内橋克人「始まっている未来」岩波書店
宇沢>「(フランス)ドゴールは、一軒の家に必ず
一台自家用車を持つことを目標に掲げて、旧市街に
自動車が自由に入れるようにした。同時に高速道路
網を作って自動車の普及を促進する。」
「50年代〜60年代に非常に大きな混乱をもたらした。」
「目に見える形では旧市街に自動車が入って街を壊して
いくと同時に、人間の生き方も極端にアメリカ的な
方向に傾いていった。」
「それに対してフランスの学生たちが批判的な動きを
していく。そのクライマックスが1968年の『5月革命』
です。グルノーブルが1つの拠点」
「80年代に新しい動き。一つはミッテラン地方分権
政策エリート校を出た人たちが中央官庁の官僚になるよりも、地方自治体で働くことに生き甲斐を見い出すように焦点が移っていった。」
「都市計画や地方の公的な計画を立案して実行に移す権限を与えて、交通税その他の税源も移譲する。そこにエリート校を出た優秀な人たち、特にエンジニアが集まる。」
「フランスは歴史的にも工学系のエンジニアが都市計画
や社会計画の中心になるんですね。法学部出身者ではない。工学は、Civil Engineeringといって共同体的な町が豊かになるための基礎を作る。」
岩波講座が松本市であり内橋克人さんの講演を聴いてきた。
例の「匠の時代」を書いた人。
内橋さんは日本の宝だ。

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