二つの敗戦 (日本とドイツの比較)進藤栄一


2011.8.8
信濃毎日新聞4面
進藤栄一
今ドイツが熱い視線を浴びている。
先の世界大戦で同じように敗北を喫しながら、日本経済が低迷し、EU金融危機であえいでいるにもかかわらず、ドイツ経済は絶好調だ。

実際ドイツは、域内単一共通通貨の導入以来、自国製品の国際競争力を高め、貿易黒字を累積させて経常収支で上昇に転じ、2010年経常収支で中国を凌ぎ、GDP成長率でも東西統合以来最高の3.6%を記録した。

違いの主因
第1に、近隣諸国と領土問題をめぐる和解を手にしているかどうかの違い。
(日本は、北朝鮮、ロシアとも平和条約を結べていない。)
第2に、グローバル化の進展下で、いかに市民社会を強靱なものにし、人間の顔をした資本主義を手にしているか。(日本の小泉政権批判)
第3に、急速な工業化が地球大に拡延し地球温暖化が進む中、いかに成長と地球環境とを両立させ、将来世代と共生できる道をつくり上げているかどうかの違い。(日本は電力寡占体制を打破できず、鳩山環境イニシアティブを反故にし原発依存成長路線を強めた)

持続可能性の最大化を図る21世紀サステナビリティーゲーム それを先取りしたドイツと、いまだにできない日本との差が、二つの敗戦後の今日の違いを表出させている。
67年目のヒロシマが、フクシマの意味をとらえ直させる所以だ。

ビッグコミック連載の佐藤優のコミック。
アレを読むと鈴木宗男こそが、日露間の政治的問題を解決する政治家たりえたことが良く分かる。
その政治家を我々はお茶の間の茶飲みネタとして愉しんだ。
官僚がしかけた田中マキコと鈴木ムネオのバトルに熱狂した。
その代償が、今の日露関係の放置だ。

2年前の9月、わたしたちは「国民の生活が第一」と言った民主党政権を選択した。画期的な出来事だった。私達が自分の手で政治状況を制御した。しかしその立役者の小沢一郎という政治家の活躍する場を失わせたトンデモな検察を非難するどころか、火のないところに煙は立たないと、言わんばかりに、「きっと何か悪いことをしているのに違いない」と遠ざけた。
しかし、裁判でいくら叩いても、何も証拠が出てこない。
私たちは再び、何かを失っているのではないか。
検察は、村木厚子さんの時を境に、(実は、佐藤栄佐久福島県知事の時もそうだったようだけど)完全にアホドジマヌケなオバカ集団であることが露呈した。
サリン事件を起こしたオウム真理教という組織の内部に居た連中の思考回路と検察の官僚連中とどこが違うというのだろうか。
ツチヤがサリンを作りムライが撒いたのと、
検察が、佐藤栄佐久福島県知事や村木厚子さんや鈴木宗男小沢一郎の秘書らを逮捕しちゃった動機は全く同じだ。ようするに自分が見る「世界」の中で、エリートを自負する自分は、出世したかったのだ。それ以外に生きる道が無いと思い込めちゃった訳だ。ますます、佐藤優の精神が際だってくる。やはり、検察は解体すべきだろう。前田恒彦とその直近の上司2名を処分すれば解決ってもんじゃないだろう。

そして私たちは、鳩山さんをバッシングから守ってやることもできずに失脚させてしまった。民主党が、用意周到に準備が出来ていなかったことはしかたないじゃないか。突然転がり込んで来ちゃったんだもの。そして赤子の手をひねるようにやられてしまった。でもそれは、鳩山さんのリーダーシップが足りないからではない。私達のフォロワーシップが足りなかったのだ。税金という入場券を払ってスポーツや演劇を見るような気分はもう辞めよう。そんな時間はもう無い。
我々は茶の間で、そんなTVネタを弄んでいる間に、大切なことからどんどんと遠ざかっていく。

その差が、ドイツと日本の差だ。
進藤栄一のこの文章はちょっとショックだった。


Suguru Mashima 氏のres.
http://twitter.com/#!/guruping/status/101132847867371521
ずいぶん薄っぺらな議論だな。トルコ系移民の問題も東西格差の問題も存在しないかのような記述。欧州域内での「貸し込み」の実態や輸出依存政策などをどう評価しているのだろう?EU域内の保護主義だって我田引水だし、買いかぶりだと思う。