未曾有の大惨事-3月14日 神谷-

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未曾有の大惨事-3月14日 神谷-
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 大気中に、通常の1000倍の放射性物質が検出されたと報じられたのが、12日午前7時前だった。この時点で、福島原発で、大変なことが起こっていると胸騒ぎがしてならなかった。ましてや、冷却装置が稼働していないのだ。午後2時過ぎ、セシウムが検出されたと聞いて、炉心溶融メルトダウン)を確信した。

 20年間、チェルノブイリ原発事故による健康被害への支援活動をしてきた経験から、今回の事故に対して、申し述べたい。

 非常時の兆候がいくつか出ているのに、情報が開示されなかった。初期対応を間違えると被害をより増幅することになる。いたずらに住民達の不安感をあおらない、という配慮よりも、住民自らが、自分たちでできる防護法を実践してもらうために、皮膚を直接外気に晒さない、露地野菜は食べてはならない等の具体的な対策方法を伝えてほしかった。

 最悪の事態を想定して、付近住民の避難を迅速に進めてほしい。そして、放射性ヨー素も検出されているのならば、ヨード剤を早く飲ませてほしい。現時点で、人体に影響ない線量という言い方は、してはならない。放射性物質を摂取する食物連鎖の最終点に人間がいる。低い線量の内部被曝は、とても問題なのだ。

 また、福島原発は、日本最古の原発だ。築30年で稼働停止としていた原発を、40年に延長したリスクが、見事なまでに露呈したといえるのではないだろうか。
緊急炉心冷却装置を稼働させるための非常用発電機が機能しなかった。津波による影響だと言われている。いざという時のバックアップが効かないのでは、大事故につながるリスク管理ができていないということだ。

 今は、次々に明らかになる原発の事故情報に、処理に当たる作業員の方達の安全の確保を願い、避難した方達の不自由な生活に、何かできることはないだろうかと思いを馳せる。

かみや さだこ
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