低線量被曝のリスクが明確に 10mSv蓄積で白血病のリスクが3%上昇。 フランス、米国、英国の計30万人以上の原子力産業労働者を調査。

Nature ダイジェスト より。

まとめ。 「一般的に低線量と呼ばれる 平均 1.1ミリシーベルト程度の追加被爆であっても 被曝線量が高くなるのに比例して白血病のリスクが上昇する。」

詳細:

・バッジ式線量計を着けて仕事をしていたフランス、米国、英国の計30万人以上の原子力産業労働者を調査。
・研究の時点で対象者の5分の1が死亡。
・死因を最長で60年に及ぶ被曝記録との相関を調べた。
宇宙線ラドンによる環境放射線量は年間約2〜3ミリシーベルト(mSv)
・対象となった原子力産業労働者たちは年間でこの値より 平均1.1mSvだけ多く被曝していた。
・今回の研究によって、被曝線量が高くなるのに比例して白血病のリスクが上昇することが裏付けられた。
・極めて低い被曝線量でもこの線形関係が成り立つことが証明された。
・30人は急性リンパ芽球性白血病で死亡していたことから、放射線被曝によるものと示唆される。
・10mSv蓄積で白血病のリスクが3%上昇。


Olsenによると、これだけ大規模な調査でも、ごく低線量の被曝(合計50mSv未満)を蓄積した労働者では、白血病リスクの上昇を直接裏付ける証拠は得られなかったという。ただし、調査で得られたデータの外挿により予測した結果、被曝線量が10mSv蓄積するごとに、労働者全体の平均と比較して白血病のリスクが約3%上昇することが分かった。

出典:

短縮URL)nature :  http://bit.ly/1LwwhD6

http://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v12/n10/低線量被曝のリスクが明確に/68002?fb_action_ids=899462636799452&fb_action_types=og.likes&fb_ref=.Vg5lYlE6WAw.like 

元の論文:
http://www.thelancet.com/journals/lanhae/article/PIIS2352-3026(15)00094-0/abstract

Fig.
http://www.thelancet.com/cms/attachment/2033851355/2049708888/gr1_lrg.jpg

Table
http://www.thelancet.com/action/showFullTableImage?tableId=tbl1&pii=S2352302615000940

http://www.thelancet.com/action/showFullTableImage?tableId=tbl2&pii=S2352302615000940