一条美和子@国立環境研究所 2013.1〜2 群馬県前橋市 太田市に飛来したPM2.5由来は国内か。自動車窒素酸化物由来の硝酸塩

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20140314/CK2014031402000171.html?fb_action_ids=606550856101415&fb_action_types=og.recommends&fb_source=other_multiline&action_object_map=%257B%2522606550856101415%2522%253A1374499719494500%257D&action_type_map=%257B%2522606550856101415%2522%253A%2522og.recommends%2522%257D&action_ref_map=%255B%255D


大気汚染の要因で、健康被害を及ぼす微小粒子状物質「PM2・5」について、県衛生環境研究所(前橋市)が二〇一三年一〜二月に前橋、太田両市で観測した データを分析した結果、社会問題化している中国由来の成分は少なく、国内で発生したとみられる成分が多かったことが分かった。研究所などが十三日開いた業 績発表会で、研究所の一条美和子技師が報告した。

一条技師ら大気環境係の担当者は、国立環境研究所が一三年一〜二月に中国に近い長崎県で観測したPM2・5の分析で、硫酸塩が主成分で硝酸塩の含有率が低 かった点に着目。前橋、太田両市で観測したPM2・5は硝酸塩が多く硫酸塩はわずかで、主成分が異なっていた。硝酸塩の原因物質は自動車などから排出され る窒素酸化物で、多くは国内が発生源とみている。

一三年二月初めの大気の流れも解析したところ、九州には中国大陸から流れ込んでいたが、前橋、太田両市の大気は首都圏一帯などを移動していた。
 一方、一二年十一月に前橋、太田両市で観測したPM2・5の分析では、前橋は太田に比べて風が強く、大気汚染物質が拡散して濃度が低くなりやすいと判明。太田は窒素酸化物の濃度が高く、PM2・5の値を押し上げたとみられる。
 一条技師は取材に「県内のPM2・5は地元と南関東の自動車や工場からの排出などが主因ではないか。家庭でも灯油ストーブや調理過程で排出される」と語った。
 PM2・5は大きさが二・五マイクロメートル以下の非常に小さな粒子。工場や自動車などから排出され、世界保健機関(WHO)はその発がん性を認めている。 (菅原洋)

・中国に近い長崎県で観測したPM2・5の分析で、硫酸塩が主成分で硝酸塩の含有率が低かった。