朝日新聞デジタルが伝えるデモの模様


http://digital.asahi.com/articles/TKY201110090392.html?ref=comtop_middle_open
街宣カーの連呼も、シュプレヒコールもない。にぎやかな音を聞いてレストランから出てきた男性店員は「お祭りかと思ったら、デモなんですね」。
 先頭付近で、腰にドラムを下げて行進した河野亜紀さん(39)は普段、ウェブデザインの仕事をしている。4月にデモに初参加し、「こんなに楽しい世界があるんだ」とはまった。
 震災前、デモに対して、学校で苦手なマラソン大会に出るような「動員」のイメージを抱いていた。でも原発へのもやもやした不満を何とかしたい。ツイッターで知ったデモに足を運び、「みんな同じように怒ってたんだ」と分かった。

この日、デモを呼びかけた井手実さん(31)は、今回初めて主催側になり、警察への届け出など手続きをした。内装業の傍ら趣味でパンクバンドを組む。常に線量計を持ち歩くなど、脱原発の思いは本物だが、これまで社会運動を担ってきた労組や団体を「プロ市民」とすると、「自分たちはマチュア」と感じる。

 組織も動員もなく、告知はネットや口コミに頼る。参加者100人と届け出たが、ふたを開けると600人が集まった。予告ホームページの一つには、米ニューヨークの路上で人々が楽器を打ち鳴らすネットの映像がリンクされている。