Eureka
台湾に知人のエンジニアが居ます。
業界では有名な人です。
彼は、台湾の学校を卒業し
日本の大学に入学後
日本のメーカーに就職、
そして、自分の会社を創業する。
日本と中国と台湾を飛び回り
韓国の世界的企業の製造現場の
検査装置を手掛けた。
巨大なガラス板の中の
1μmの傷を見つける。
1秒に1Gpixel(10億画素)を実時間処理するシステムを完成させた。
私は台湾に別件の業務(中央研究院へ赤外線イメージスキャナを導入)で行った時に彼に事前連絡して一緒に飲んだ。
例の高層ビル。
結局、6時間ぶっ通しで 語り合った。
アジアの人たちの豊かな社会を願い合った。
・・・
日経ビジネスに載った記事:
「黒ずくめの男たちが
亀山工場の着工を
遠くから双眼鏡で眺めて
安堵した」
シーンは多分実話だろう。
その話を彼にして見た。
「何故シャープはサムソンに負けたのか?」
その問いだ。
業界では「日本人の過剰品質原理主義が災いした。」と総括している。
でも、彼の意見は違った。
『欠陥画素を含むディスプレイ(テレビ画面)を自社都合で良品にしたからだ。』
と。
かなり、私はショックだった。
欠陥を見つける技術開発を諦めなかったサムソン。
欠陥商品なのに「何画素までは欠陥画素があっても良品である」と自社都合を消費者に説明するシャープ。
目の付け所が重要だ。
・・・
でも、
だ。
でも
その膨大な富を稼ぎ出す某韓国の企業の現場で汗を流す優秀な設計者従業員の年間の給与額を聞いて唖然とする。
日本から一本釣りされる日本人エンジニア。血を抜かれて使い捨てにされる社員の給与も酷いけどね。
富は何処に抜かれているのか。
そんな会話を彼としていた。
・・・
豊かなアジアを作ろう。
結局、稲作文化が指先の器用さを促すのだろうか。
過酷な自然が、季節の息を飲む変化が、美意識を呼び覚まし精神文化を育むのだろうか。
アジアは豊かだ。
豊かなアジアを作ろう。
・・・
「黒ずくめの男たちが
亀山工場の着工を
遠くから双眼鏡で眺めて
安堵した」
日経ビジネスの書いた事と同じ事を
最近、女装にカミングアウトした東大のあの先生(*1)も言ってた。
シャープは中国に工場進出したら良かった。
『世界工場にシャープは成るのだ。』
もし あの時 シャープがそれをやったら サムソンは 歴史上出る幕は無かった。
そこをたじろいだ。
と。
・・・
Ah ! Eureka !
私は、解った気がする。
日本人が70年前の戦争を総括してないから失敗したのだ。
哀れだな。
日本人のエンジニアたちよ。
総括する哲学を持とう。
豊かなアジアを作る構想を持とう。
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