セシウム、深さ5センチ程度に定着 茨城の森林土壌

http://www.asahi.com/articles/TKY201311060519.html

セシウム、深さ5センチ程度に定着 茨城の森林土壌
2013年11月8日09時20分
【西川迅】東京電力福島第一原発の事故で広葉樹林の落ち葉に降り積もった放射性セシウムの大部分は、事故から2年半後も地表から深さ5センチ程度の土壌に定着していることが、日本原子力研究開発機構の調査で分かった。沈着したセシウムが土壌の中を移動する割合は少なく、森林地帯から地下水などを通じて汚染が広がることは考えにくいとしている。
 原発事故で大気中に飛び散った大量の放射性セシウムは、広範囲の森林に降り積もった。同機構は2011年5月、福島第一から南西65キロにある茨城県の落葉広葉樹林の土壌で、セシウムがどのように移動するか調査を始めた。周辺では1平方メートルあたりのセシウムが平均20キロベクレル測定され、そのうち7割が落葉層にとどまっていたが、7カ月後には4分の1に低下。一方、地表から5センチまでの土壌では、セシウムの大部分が落ち葉から地中にしみ込んだ影響で3倍に増えていた。12年8月の再測定でも、同じ地層にほとんどが定着したままだった。