上祐史浩:オウム事件 17年目の告白、扶桑社(2012.12.17)


上祐史浩オウム事件 17年目の告白、扶桑社(2012.12.17)

酒鬼薔薇聖斗事件とオウムの関連性
p297
有田芳生
酒鬼薔薇聖斗事件
「14歳だった中学3年生の少年が、女子小学生を殺害し、さらに弟の友達である男児を殺害して首を切断し、自分が通う中学校の校門前に晒した衝撃的な事件でした。」
「小学校6年生のときにテレビで見たオウム事件の報道から、大変な影響をうけていたとわかったんです。」
「少年は報道を見ながら、『この程度のことなら許されると思った』と言うんですよ。社会は一連の事件がオウム真理教の仕業だと確信しているのに、テレビをつけたら上祐という人が出ている。そして私(有田)なんかと一緒に、事件について議論している。テレビに出て主張できるということは、社会として認めているということだと、子どもだからそう解釈してしまったんですね。」
「さらに2000年には、今度は『17歳の犯罪』が日本列島を騒がせました。犯人たちは、この少年とほとんど同じ年で神戸の少年の自宅を訪ねた者、生徒手帳に写真誌に掲載された神戸の少年の顔写真を貼っていた者、さらには自分にホーリネーム(聖名)を付けていた者もいました。」

時系列
1984.2 「オウム神仙の会」設立。7月「オウム真理教」に改称。
1989.3 東京都に宗教法人の申請を開始→8月取得。
1989.11 坂本堤弁護士一家殺害事件。
1990.2 衆議院選挙に立候補。全員落選。
1994.6 松本サリン事件
1995.3 地下鉄サリン事件
1997.2~5 酒鬼薔薇聖斗事件
2000.5 豊川市17歳少年による殺人事件。佐賀バスジャック。


父性の欠乏
p303
上祐史浩
「ある心理学の理論によると、人間は幼い頃、自分を導いてくれる理想の父親みたいな存在を求めるそうですが、そこで欠乏があると、大人になってからもそれを求め続けるのだそうです。そうした欠乏を抱えた子どもが大人になり、社会の中に父性を求めると、カルト教団みたいなものができてしまうということです。」
「ある心理学的な見解では、望ましい発達のプロセスとは、子どもの頃に、自分の親ないし親がわりの人に、自分の見本・理想を見て、その後、大人になるにつれて、除々に、親も自分も、欠陥を抱えた多くの人間の一人であるという現実を受け入れていくことだそうです。しかし、親との関係に欠乏があると、大人になっても、子どものときのままに、理想の親を求める心が残り、同時に、理想の親に導かれる理想の自分(誇大妄想的なまでに偉大な自分)を求める欲求が残るそうです。」

文学的想像力の欠乏
p301
有田芳生
「私はオウム真理教統一協会に入っていく人々は、例えば文学的想像力が足りないのではないかと感じているんです。本当は、いろいろなカルトの問題を一般的にまとめて考えるのは避けるべきなんだけれども、一人ひとりから聞き取りをしていると共通点がある。」

上祐氏の本を読んで、やっぱ、コレ → http://d.hatena.ne.jp/scanner/20120921/1348185930 は無いな。と思った。^^)