小学生のための放射線副読本 解説編【教師用】 正誤表(私案)

小学生のための放射線副読本 解説編【教師用】

■page12「身の回りの放射線被ばく」
誤:(100mSv以下で)がん死亡が増えるという明確な証拠はない。

正:ゼロ線量が最良のしきい値。(%1)
つまり、放射線被曝による発がんに「しきい値」は存在しない、という論文が、長崎、広島に投下された原爆による死者の疫学研究より2012年に発表された。
放射線影響研究所



%1)アメリカの専門誌 Radiation Research オンライン版で公表された放射線影響研究所の論文

原爆被爆者の死亡率に関する研究 第14報1950-2003年:がんおよびがん以外の疾患の概要
小笹晃太郎 清水由紀子 陶山昭彦 笠置文善 早田みどり Eric J Grant 坂田律 杉山裕美 児玉和紀

http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2012/05/abcc-1950-radiation-research-14-1950.html

86,611人のうち58%が1950−2003年の期間に死亡した。(1)全死亡のリスクは、放射線量と関連して有意に増加した。(2)被爆時年齢10際未満の群で増加。

放射線影響研究所とは またアメリカの評価は低線量被ばくを過小評価している


http://www.facebook.com/emi.kiyomizu/posts/302412463200145
http://www.ippnw.de/commonFiles/pdfs/Atomwaffen/Medizinische_Spaetfolgen_von_Hiroshima_und_Nagasaki.pdf
(広島と長崎の原子爆弾による後遺症)IPPNWドイツ支部の論文から.EMI.KIYOMIZU訳.
広島と長崎の原爆攻撃の5年後, 米国の研究機関(ABCC)が日本で設立された.
原爆の生存者,約20000人が登録された.
そして,2年毎に検査された.
この研究所は1975年に日本に主権が移り,放射線影響研究所 (RERF)と改名された.
・・・
米国研究所は広島,長崎の原爆が落とされた中心地の人達を選択しなかった.(市外地の人達を選択した) でも,対照になったグル-プの人々は,放射性降下物で数回被爆した人達であった.

したがって,同じように被爆したグル-プの中での(放射線による健康被害の)差は小さい.
明らかに,登録された人々の放射線の影響が過小評価されている.
このような偽の科学的なデータに基づいて,放射線曲線が作成された.
この資料は,低放射線被爆した人々や,危険な放射線の影響を受ける人々の労働安全基準などに,長い期間,使用された.
(ドイツ語を翻訳してくれたEMIさんに感謝)

放射線影響研究所の論文に対する意見 沢田氏


5月28日
「市民と科学者の内部被曝問題研究会」理事長 沢田昭二氏のコメント

放影研の報告は疫学研究の基本である非被曝対照群(Control)に、放射性降下物による被曝は無視できるとして遠距離被爆者を用いているので被曝によるリスクに大幅な過小評価をしています。

発表されたデータを元に日本人平均や、広島県などの近県と比較しなおせば色々の情報を引き出すことはできますが、論文結果をそのまま受け入れるには問題がある――ということを皆さんに知っていただくことが重要です。」

【参照文献】
市民と科学者の内部被曝研究会第1回総会記念シンポジウムの報告
「残留放射線による被曝を無視するABCC-放影研」