しあわせのしくみ

知人のご両親が老後のたのしみに都会から田舎に移住し農業を始めた。
自分で耕した土地で取れる野菜を毎年送ってくる。
孫(まご)が生まれてますます農作業に精が出てきた今年、30km先で原子力発電所の事故が起きた。

緊急(自主)避難を過ぎ、再びその地に戻って農作業をする両親の健康が心配だと言う。放射性物質のパウダーが舞い降りた土地に生える雑草を手作業でむしる作業を思うと胸が痛む。

でも、一番のかなしさは、手塩をかけて育てた野菜を孫に送ってこなくなったことだ。

愛する者と喜びを分かち合う原点の食。
その絆の元を今回の事故は切断した。
それはしあわせの仕組みを奪うことでもある。

経済活動の目的はしあわせをもたらすことではなかったのか。

いまいちどたちどまる時だと思う。


http://bit.ly/kPeg0w
福島からの避難者・浅田さん夫妻に聞く
福島県にIターンしたご夫婦の実話がこちらにも。