videonews.com 第521回 地震活動期に入った日本が原発でいいのか ゲスト:立石雅昭氏(元新潟大学理学部教授)


=====
■マル激トーク・オン・ディマンド 第521回(2011年04月09日)
地震活動期に入った日本が原発でいいのか
ゲスト:立石雅昭氏(元新潟大学理学部教授)

http://www.videonews.com/asx/marugeki_backnumber_pre/marugeki_521_pre.asx

 福島第一原発で予断を許さない事態が続くなか、今週は、7日深夜の地震によって、宮
城県女川原発青森県東通原発で外部電源が遮断されるなど、一歩間違えば深刻な事故
につながりかねない危うい事態が、相次いで起きている。
 しかし、この一連の地震は単なる一過性のものではく、日本列島が、20〜40年周期の
地震活動期に入った結果にすぎないと多くの地震専門家たちは指摘している。また彼ら
は、向こう10年以内に東日本大震災クラスの大地震が東南海地方を襲うことがほぼ確実
なことも、科学的な知見から予想することが出来ると言う。
 このような事態にわれわれは防災、とりわけ原発の防災についてどのように考えれば
いいのだろうか。
 地質学の専門家で、元新潟大学理学部教授の立石雅昭氏は、新潟県柏崎・刈羽原発
宮城県女川原発静岡県浜岡原発などの現地調査を行ってきた。立石氏は、地質科学的
に見てこれらの地域は原発の立地に適していないこと、強い地震が起きる可能性がある
こと、そして、その震災により原発が深刻な事故を起こす恐れがあると警鐘を鳴らして
きた。しかし、今回の福島第一原発の事故を止めることができず、「忸怩たる思いを感
じている」と話す。
 福島第一原発の事故は、津波による電源喪失、冷却機能の喪失が引き金になったが、
立石氏は、国・東京電力津波対策は想定される津波の波高より高い場所に原子炉建屋
などの施設があるか否かだけを考えており、最新の知見を取り入れることを怠っていた
と話す。07年の新潟中越沖地震は、東電が柏崎・刈羽原発直下の断層をごく短いため問
題ないと判断していた。結果的には、同原発は火災を起こし、福島ほどではないにして
放射能漏れを起こした。原発の周辺だけが震度7を記録するという特殊な現象もあった
が、すべての原因が解明されないまま「安全宣言」がなされ、運転は再開された。立石
氏は、産官学の癒着により、危険性を指摘する研究者の意見は考慮されず、新潟で起き
た事態を教訓として活かすことができなかったと言う。
 耐震対策についても、各電気事業者は原子力安全委員会が06年に改定した「耐震設計
審査指針」と、07年の中越沖地震を踏まえて、基準を作り直していた。しかし、東電は
東日本大震災で被災した福島第一原発女川原発について「想定を上回る揺れ」が起き
たと発表している。
 立石氏によると、日本の地震には活動期と静穏期の周期性がある。1896年の明治三陸
地震以後、1923年の関東大震災までの27年間は「静穏期」で、大きな地震は起きていな
い。しかし関東大震災以降の25年間は、昭和三陸地震東南海地震、南海地震などM8
近くの大震災が頻発した。1948年以後は「静穏期」に入り83年の日本海中部地震まで、
大きな地震は起きていない。この時期は日本の高度経済成長期と重なった。
 そして、95年の阪神・淡路大震災以降、「活動期」に入った。特に、東海地震が起き
る確率は文科省地震調査研究推進本部の発表で80%以上とされている。立石氏は、こ
の研究推進本部の発表は地質学・地震学などの研究者の間で統一された見解であり、疑
義を差し挟む者はいないと言う。現在の「活動期」、つまり95年から25〜30年間、おそ
らく2025年ぐらいまでにM8以上の地震が起きる。東海・東南海・南海地震が連動して
起こればM9を超えるという。静岡県浜岡原発は、この危険地域に存在している。
 地震活動期に入った現在の日本に原発が存在する危険性を、どのように考えるべきか。
立石氏とともに、神保哲生宮台真司が議論した。

=====
videonews.com
第521回
地震活動期に入った日本が原発でいいのか
ゲスト:立石雅昭氏(元新潟大学理学部教授)

共同体。
決めない。indicision
2011.3 新潟大学を退任した。

立石>
新潟32年。
柏崎立地問題。
たまたま新潟大学の卒業生の立地問題、協力頂きたい。といわれ、つきあってきた。
柏崎は立地に適していない。
浜岡、
女川、
東北日本を中心に立地の問題を取り上げてきた。
原子力発電所を作るのは無理だ。と
発言させて
2007年、柏崎、
ホントにラッキーに周辺住民が避難するまでは行かなかったが、被災した。
建造の危うさを身に染みた。
今回の事態、
日本における原子力発電所を止められなかったことに責任を感じている。
地質学的に見て作るべきではない。
住民が止めようとおもうような説得力な話をできなかった、忸怩たる思い。

立石>
静穏期と活動期
25年間 地震活動期
関東地震までは起こっていない。
1896年の明治三陸地震以後、1923年の関東大震災までの27年間は「静穏期」で、大きな地震は起きていない。
カニズム。
最初に予測されていたのは、十勝沖。
東北地方も確率的には高かった。
続いて、南海に起こる可能性が高い。
津波が起こる。

宮台>
「静穏機だったから、高度経済成長ができた。原発も作ることができた。のかな。」
00:31:00
M9は過去日本列島で経験したことの無い。
津波:7.3m以上/相馬。
じょうがん 津波
869年
サタケさんたちの研究報告。
(ボーリングして)地下に津波の痕跡があった。
最大波高推定が不十分だと思っていた。
引き波で原子力発電所の取水口が取れなくなるのでは?

2002年土木学会。
原子力発電所津波対策のバイブル。
県庁記録と
シミュレーションの検定。
高いところは、観測記録と計算記録が大きくズレル。
土木学会、原子力委員会津波部会。
2002年の評価技術。
評価部会が不十分と言っている。
2007年には新しい案を出している。
2002年の資料で未だにやられている。
(00:38:44)
スマトラ沖の津波を最大波高をシミュレーションできるのか?
(00:38:50)
(1)津波、今回ほど大きくなるとは思っていなかった。
(2)津波部会には、電力事業者から入っている。
産と学の共同生産物。

神保>御用学者がいる。
装置が海水で浸水されると機能しなくなる。
最大波高が問題となる。
格納容器、
止める、冷やす、閉じ込める

経産省 原子力安全委員会の指針
1990年 発電用
50項目
電源喪失に対する
外部電源などの
長期間の電源喪失
送電線の復旧、が期待できるので、考慮する必要は無い。(%1)

神保>Q:原子炉の耐津波性は?
福島の1号炉は最も古い原子炉
想定される津波の波高よりも高いところに原子炉がある。というだけ。
古いものは対策が不十分。
40年、放置してきた。

柏崎
2007中越沖地震
原子力発電所のみ、震度7
活断層が無いので震源断層にはならない。
活断層を短く評価した。
中越地震を起こした。
M6.8
規模にすれば、小さかった。

緊急停止。
地盤沈下で屋外の設備に火災。
放射性物質
排気棟からヨウ素131が放出。

新潟の教訓
1990年、
2003年、
報告、その時、その時の地質学的な最先端の報告。
自然現象は予測を超えてしまう。
その時の最先端の予測で大丈夫だ、だけでは不足。

変動地形学の先生は、断層は長く伸びる可能性がある。
強硬に主張して安全宣言を出してしまう。
宮台>推進が先にある。