文部科学省による 空間線量率 測定手順書


http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/08/03/1306855_0802.pdf
平成23年8月2日

文部科学省による
放射線量等分布マップ(線量測定マップ)
の作成について

別紙1
土壌採取地点における空間線量率の測定について

1.測定概要
東京電力(株)福島第一原子力発電所から100km圏内及びこの圏外の福島県内の土壌採取地点において、地表面から1mの高さの空間線量率を測定した。

2.測定手法
○土壌採取地点における空間線量率の測定及び走行サーベイによる空間線量率の測定は、地表面から1mの高さで空間線量率を測定した
○測定計器として、空間線量率が30μSv/h 以下の地域については、校正済みのNaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータを用い、30μSv/h 以上の地域においては、校正済みの電離箱式サーベイメータを使用した。
○測定は、原則、作業員2 名以上によるダブルチェックを行って実施した。
○測定箇所の特定にあたっては、GPSを用いて、世界測地系(WGS-84)で読み取ることとした。
○測定にあたっては、概ね3×3mの区画の中でサーベイメータをゆっくり移動させ、急激に線量当量率が高くなるような特異な場所が存在しないことを確認した上で、土壌採取位置上の1点の高さ1m の場所において空間線量率の測定を実施し,その読み値を代表値とした。
○高さの調整は、コンベックス又はカメラの三脚等の1m の長さが測れる物で適切な高さに調整した。
○測定箇所としては、次の事項に気をつけて測定を実施した。
(ア) 測定範囲の周囲5m程度までに、極力、大きな障害物(車、建物等)がないこと、平坦な地形で測定した。また、できるだけ植生の少ない場所を選定した。
(イ) 測定位置は、地面がアスファルトやコンクリートの上に測定位置を選ぶことは避け、土壌の上のみで測定した。また、森林については、未だに樹体に多くの放射性下降物が付着していることが想定されるため避けて測定した。
(ウ) 急激に空間線量率が数倍も変化するような特異な場所が存在しない箇所で測定した。(例えば、雨どいの下の土壌・溝のように、雨で流された放射性核種が溜まっている場所は避けて測定した。)

空間線量率 μSv/h の数値で、直接 チェルノブイリと比較する。 


http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/017/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/09/02/1310688_2.pdf

平成23年8月29日

文部科学省による放射線量等分布マップ
放射性セシウムの土壌濃度マップ)の作成について

文部科学省 原子力災害対策支援本部
モニタリング班
資料第7−1−1号


別紙7 グラフ:空間線量率と土壌の核種分析結果の関係について
より、
X軸:空間線量率(μSv/h)
 ※計測高さ1m
Y軸:放射性物質の単位面積あたりの放射線量(Bq/m^2)
の相関が得られている。

y=276008x
R^2=0.7557
すなわち、

主たる核種がCs134とCs137とした場合、
相関係数:0.7557の精度で、次の式が成り立っている。
[ 276 KBq/m^2 = 1 μSv/h]
ちなみに、空間線量率の測定高さは、1m。


http://d.hatena.ne.jp/scanner/20110920/1316524210
地表面から1mの高さで空間線量率を測定
チェルノブイリ管理基準

http://d.hatena.ne.jp/scanner/20110828/1314492492
>1480 KBq/m^2:強制避難ゾーン
555~1480 KBq/m^2:強制(義務的)移住ゾーン
185~ 555 KBq/m^2:希望すれば移住が認められるゾーン
37~ 185 KBq/m^2 : 放射能管理が必要なゾーン
従って、
上記放射線密度(KBq/m^2)を276KBq/m^2で割れば、空間線量率(1m高さ)を得ることができる。


>5.362μSv/h:強制避難ゾーン
2.011~5.362 μSv/h:強制(義務的)移住ゾーン
0.670~2.011 μSv/h:希望すれば移住が認められるゾーン
0.134~0.670 μSv/h : 放射能管理が必要なゾーン


■補足
今回の結論は、全て文部科学省の2200点の計測結果から推定しました。
以前、文部科学省が 20mSv/年間 (というとんでも無い値)を基準として、校庭に居る時間と家にいる時間と家に居る時の放射線減衰率を(テキトーに)仮定し、0.38μSv/h 3.8μSv/hでヨシ!としたように、チェルノブイリの場合も、許容される年間の被爆量を定義し、なんらかの計算から、件(くだん)の管理基準になったのだと想います。
ただ、今回の私の計算は、そうした役人の仮定や人体に及ぼす放射線量の値に言及することなく、「チェルノブイリでは、このくらいの空間線量率で、強制移住区域になった」という事実をまず解りやすく知ってもらうことが主たる目的です。計算に使った値は全て、文部科学省が計測した実測値ですし、チェルノブイリの管理基準も今中哲二先生@京都大学原子炉実験所が論文で公開されている情報です。議論の土台になり得ると想います。大切な貴方の子と未来の子のためにお役に立つなら幸いです。


■補足 その2
”HAYAKAWA Map” について
放射能汚染地図(四訂版)
http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-418.html
群馬大学早川由紀夫先生のマップについて意見はいろいろあると想うが、100km圏内のみを対象として発表している政府系のマップに対して、原発から300km離れた静岡県足柄のお茶や赤城山大沼のワカサギの基準値超えを解釈するためのマップとしては、非常に有意なマップだと私は想う。
@nnistarさんと早川先生に感謝。)
(そもそも東京電力による原発事故から6ヶ月が経過した段階で、日本国政府が国土全土でこのマップを作ることを表明していないことが国民の生命をおろそかにしている。と私は想う。)

このマップは鵜呑みにせず、解釈は自力で行うこと。

この地図を見て、自分の住んでいるところや、故郷(ふるさと)がどんな状態かを把握しておくことは、自分の子や家族、知人の身を守るために重要だと想う。

もちろん、0.5μSv/hを超える地域に暮らす住民を対象に政府は、「希望すれば移住が認められるゾーン」として保証し(もちろん移住の費用は東京電力株式会社に請求する)、公開すべきだと想う。

それが「国民の生活が第一」を旗印にした(からこそ私は投票した)政党が行うべきことだと信じている。


http://twitter.com/#!/ichinoseshu/status/116147298844688384
文部科学省が8月29日に発表した2200カ所の放射線測定結果から得たグラフの換算式から、チェルノブイリ管理基準値を空間線量率に換算した。 かの地では、0.134μSv/h以上は管理対象。0.67μSv/h以上は移住が認められた。2μSv/hを超えたら強制移住だ。一方日本はどうだ。


3.8μSv/hに決まった経緯が、東京新聞に記事になった。
2012年4月18日 07時01分
「どのように目安が決まったのか、具体的な経過が分かったのは初めて。 (榊原智康)」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012041890070133.html
「(基準を)厳しくすると百三十七校と(校庭使用の制限がかかる対象となる学校数が)三倍以上に膨れあがる」

{記事修正履歴}
2012-4-20 0.38μSv/h → 3.8μSv/h に修正。
2012-4-20 3.8μSv/hに決まった経緯、東京新聞の記事を追記。