自動運転時代

http://nkbp.jp/2rrMCdz


自動運転時代を迎えるに当たり、自動車業界が「車載Ethernet」の採用に舵を
切っています。Ethernetはこれまで、オフィスや家庭の通信機器やパソコンなどを
接続するネットワークで利用されてきました。今後は、自動車内のECUや電装品
同士をつなぐ車載LANにEthernetが広がっていきます。

自動運転では、「走る」「曲がる」「止まる」といった「制御系」、ADASなどの
「安全系」、シートやパワーウインドーなどの「ボディー系」、カーナビや
リアシート用ディスプレーなどの「情報系」といった系統(ドメイン)をまたぐ
かたちでの協調制御が必要になります。すると、バックボーンなどで扱うデータ量が
増える。そこで出番となるのが、100Mビット/秒、1Gビット/秒、10Gビット/秒と
高速な車載Ethernetです。車載Ethernetであれば、ケーブル数を抑制しながら、
高速なデータ伝送が可能です。ケーブルが少なければ、設置空間や重量の面でも
有利になります。

加えて、Ethernetを用いれば、車載ネットワークの構成を簡素にできる利点が
あります。現在の車載LANでは、CAN(Controller Area Network)や
LIN(Local Interconnect Network)に複数のECUを接続し、それらのネットワークを
ゲートウエイで次々につないでいくため、機能を追加するたびにネットワークが
複雑化しやすい。その結果、開発工数が増えてしまい、コスト増大につながります。
Ethernetを使うと車載LANをよりシンプルに構成でき、後継機種の開発や設計の
使い回しが容易になるので、コストを下げやすくなるのです。

車載ネットワークをEthernetで構成すれば、IPベースでデータをやり取り
できます。すると、外部ネットワーク、すなわちクラウド側との連携がより
容易になります。

このように、自動運転時代に適した車載Ethernetですが、Ethernetを車載LANに
広く活用するには、通信のリアルタイム性やフェイルセーフの確保など自動車
ならではの要求を満たす技術を盛り込む必要があります。その技術開発や、仕様を
策定する動きが進んでいます。加えて、クラウド側との連携が加速するため、
セキュリティー対策も入念に講じる必要があります。

そこで本イベントでは、この車載Ethernetを中心に、次世代の車載ネットワークの
動向や、セキュリティー対策、クラウド連携に関する話題をピックアップします。
大手自動車メーカーや車載部品メーカーをはじめ、国内外から第一線で活躍する
講師を招聘して講演していただきます。