nature Fukushima

http://www.nature.com/srep/2014/140116/srep03714/pdf/srep03714.pdf

Nature Selection on Fukushima.

Nature が、福島の論文記事をピックアップするのは、
珍しいことである。
今まででは、ノルウェー気象研究所のストールらの論文記事が超有名となった。瞠目すべき事実として、
1.核種によっては(キセノン、クリプトン等)、福島事故は、チェルノブイリ事故よりも大量の放射能物質を放出している。【際立って注目されているセシウムに関しては、「フクイチ」からのセシウム137の放出量は、日本政府の公式発表のほぼ倍にあたる、3.5×10・16(10の16乗)Bqに 達していた。これはチェルノビリのセシウム137放出の半分に相当する。】
 ”The new model shows that Fukushima released 3.5×10・16Bq caesium-137, roughly twice the official government figure, and half the release from Chernobyl”.としている。(当初日本は、セシウム放出はチェルノブイリの1/20程度としていた。その後修正し、今でも1/6程度としている。)

2.放射能漏洩は、津波到達よりも前に起こっていた確かな証拠がある。
という、当時としては驚天動地な事実を、【世界中のモニタリングポストの計測結果を総動員することで】、世界に知らしめた。(東電は、故障でモニタリング結果は無いとし、福島県は、3年間モニタリング結果を隠蔽し通した。)

驚くべきことに、今でも日本政府、東電は、この事実を黙殺したままであり、あらゆる国の委員会で、放影研、放医研のお歴々は、このことに、一切触れない。(もっと驚くべきことに、全ての委員が、全く話題にしない。)

さて、それ以来のNature Selection がリリースされた。これは、国内では、全く(朝日デジタルのみ例外的に1度だけ)報道されていないが、ここでは、その重大性から、何度も紹介している。

阿武隈流域の汚染状況、その「定量化」と、そのおびただしい量(推定890テラベクレル!!!!!)のうち、1%余が、風雨によって海に押し流されたという事実が2年余に渡る調査研究から明らかになった。
その量が半端でなく(セシウム総計10テラベクレル級)、いわゆる、【原子力事故のレベル3相当の、「漏洩が自然現象によって起こっている」】、という驚愕の事実が公表された。
Natureもびっくり仰天である。それゆえピックアップされたのだが。

特に台風15号が、重篤であったとの指摘がなされているが、この台風だけで、海に押し流されたセシウムは6.18テラベクレル(TBq)。このうち、84〜92%が粒子態だという。つまり、これだけの放射能物質(セシウム)が、環境中を彷徨っているのだ。
観測期間全体における阿武隈川流域からの太平洋へ”漏れでた”放射性セシウムは、137Csが5.34 TBq、134Csが4.74 TBq。


  2011年8月10日から2012年5月11日の期間において、この盆地の河川流域で輸送された放射性セシウム全体の84〜92%が粒子態で運ばれたと推定される。このモニタリング期間において、2011年9月の台風15号によって、放射性セシウムの著しい輸送が一時的に生じたことが観測された。この台風によって陸域から沿岸域に流下した放射性セシウムは6.18テラベクレル(TBq)であったと推定される。これは、観測期間に沿岸域へ放出された全フラックスの61.4%に相当する。

  観測期間全体における阿武隈川流域(流域面積5,172 km2)からの太平洋への放射性セシウムフラックスの推定値は、137Csが5.34 TBq、134Csが4.74 TBqであった。これは、阿武隈川流域全体に降下したと推定される全放射性セシウム(890 TBq)の1.13%に相当する。これは、2011年6月から2012年9月に福島第一原発から直接漏洩したと推定される量(17 TBq)や、2013年8月21日の国際原子力事象評価尺度【レベル3】の漏洩量(24 TBq)に匹敵する量である。

フルペーパーPDF: http://www.nature.com/srep/2014/140116/srep03714/pdf/srep03714.pdf

出典)北川さん
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=623309331096009&set=a.171097882983825.40151.100002508448098&type=1